倫理委員会:倫理委員会の必要性と設置について
NPO法人 健康情報処理センターあいちについて特定健康診査についてメンタルヘルス対策インフルエンザワクチン予防接種事業

倫理審査委員会の必要性と設置について

特定非営利活動法人
健康情報処理センターあいち
理事長 志賀 捷浩

―臨床試験から導きだされるエビデンス情報―

 健康情報処理センターあいちは「高齢者の医療の確保に関する法律」の施行に伴い、平成20年に妹尾淑郎先生(当時、愛知県医師会長)が立ち上げた特定非営利活動法人です。主な事業は、愛知県医師会加入の開業医等で行う、特定健康診査の個人結果通知書作成・、電子データ作成・、支払請求等を支援し、その数は毎年24万件に達しています。

 一方、私自身、開業医として健康診査等実施していると、健康志向の高まりから「血圧が高いけど○○○を飲んでいいですか」、「ヒザが痛いから○○○を飲もうと思います」等の質問をよく受けます。自分自身の経験則から効果が期待できない○○○についての解答はフラストレーションが溜まるものです。そんな折、妹尾先生より「健康食品やサプリメントは既に市民権を得た状態で、我々医師は的確な情報を習得して患者様と向き合う必要がある」とご指摘を受けました。
しかしながら、具体的な方法は暗中模索ではありましたが、愛知県医師会には長年に経験により新薬開発の治験を実施すための組織とノウハウを積み上げてきました。その経験とノウハウを健康食品に応用し厳格な評価をおこなう事が、国民と我々医師にとっても有用であると考えました。そこで、平成24年12月、法人内に倫理審査委員会を立ち上げ愛知医科大学学長の石川直久先生を委員長として就任をお願いすることになりました。

そんな折、安倍総理の経済成長実現に向けた規制改革の一環で「一般健康食品の機能性表示を可能とする仕組みの整備」として、一般健康食品の機能性表示を可能とする仕組みが動き出し、健康食品に対する臨床研究の重要性がクローズアップされる事となりました。即ち、食品を人に投与する事が前提でも、人権的、安全性はもとより科学的な根拠を基に臨床研究を実施するにあたり、その内容を慎重に審査する倫理審査委員会の役割が重要となりました。その基準となる標準業務手順書は「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(GCP省令)」及び「人を対象とする医学研究に関する倫理指針」を準拠した内容であり、必要に応じて随時改訂、承認を得ています。倫理審査委員は医師3名、検査・環境の専門家、食品報道の専門家、がん患者支援の専門家、食品管理専門家、消費者を代表とする立場等8名の専門家で構成され、既に数件の倫理審査実績があります。一方、国内の倫理審査委員会設置件数は1300件にのぼり、審査の質にバラツキが生じているとの指摘があります。そこで、厚生労働省は認定倫理審査委員会制度を発足させ、倫理審査委員会における審査の質の向上を図ることを目指すとされ、当法人に於いても準拠できる体制を構築しつつあります。

 日本の健康食品は玉石混淆と言われ、更にTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)による外国のサプリメント市場の開放によっては、更に国内に於いてその混迷度は増大する事が懸念されます。平成27年4月には消費者庁より「食品表示基準及び新たな機能性表示制度」が明らかになり健康食品等の新基準として方向性が示唆されることで倫理審査の方向性と重要性はおのずと定まるものと確信しています。その結果、消費者・患者・我々医師にとっても制度の熟成は、健康寿命の進展とセルフメディケーションが促進される事を期待するものである。

特定非営利活動法人 健康情報処理センターあいちの倫理審査委員会

特定非営利活動法人 健康情報処理センターあいちでは、健康食品等についても有効性や安全性に関するエビデンス(科学的に証明された根拠)取得の重要性から、新薬を対象とする治験で培ったノウハウを活かし、健康食品等に特化した倫理審査委員会を設置しました。
本倫理審査委員会では、「臨床研究に関する倫理指針(厚生労働省)」、「疫学研究に関する倫理指針(文部科学省、厚生労働省」(以下「倫理指針」という)に基づく臨床研究及び疫学研究に関し、ヘルシンキ宣言の趣旨に沿い、倫理的、科学的な観点より調査及び審議を行います。